10年顧客コラム

VOL.11 時代認識と10年顧客戦略

10年顧客が増える企業の経営者は「今の時代を共感共有の時代と捉えている」、
たどり着けない企業の経営者は「今の時代をお客様に尽くす時代と捉えている」


経営者(事業責任者)向けのセミナー・講演をよく聞きにいく方は感じることが多いと思いますが、セミナー・講演の冒頭は、「時代(=“時”が移り“代”わること)」のお話がくることが多いでしょう。

そ れは「時代認識」が経営者にとってとても重要だからです。社会的正義は、時代に関わらず変わらないことも多いですが、企業の業績アップの戦略・戦術は、時 代によって変わっていきます。経営者は移り代わる時代を認識し続けて、自社の戦略・戦術を変化させる、先頭に立つ存在です。
 

今回のコラムでは、日本市場を対象にしている店舗ビジネスにおいて、どんな時代認識を持つ必要があるのか、お伝えします。このコラムは経営者(事業責任者)が読んでいることが多いので、それぞれの時代に経営者はどんな役割を担っているのかも合わせて触れていきます。

 

「1.成長時代(高度経済成長からバブルまで)」「2.低成長時代(バブル崩壊からリーマンショックまで)」「3.市場縮小時代(東日本大震災以降のこれからの時代)」と3つに分けてお届けします。

 

 

■1.成長時代(高度経済成長からバブルまで)、経営者の時代認識
市場が成長している時代は、お客様の意識はモノ・サービスに向いています。モノ・サービスを提供しているのは、企業なので「売り手の時代」になります。企業が「お客様に商品を売ってあげる時代」でした。
成 長時代は、売り手思考「どうすれば商品が売れるのか?」が時代とあった認識です。「企業の売上が上がり、従業員の給料が上がり、それに伴って消費が上が る、再び企業の売上が上がる、従業員の給料があがる、消費が上がる」時代でした。 企業が社会を動かしていた時代でした。

 

従って、成長時代に店舗の現場で大事なことは、「商品を売る活動」でした。
経営者の役割は「現場に商品を売る活動をしてもらう」ことでした。

 

 

 

■2.低成長時代(バブル崩壊からリーマンショックまで)、経営者の時代認識
市場が低成長に入ると、お客様の意識がコストパフォーマンスに向います。
例 えば、あるディスカウントストアで2000円のシャツを買ったとします。お買い得!だと思っても2回しか着なかった場合、一方、百貨店で10000円の シャツを買って20回着たとします。どちらがコストパフォーマンスが高いでしょうか? 2000円のシャツは1回あたり1,000円です。10,000円のシャツは1回あたり500円です。10,000円のシャツの方がコストは高いですが、 コストパフォーマンスは2倍優れていることになります。

 

先日、久しぶりに実家(東京調布市つつじが丘)に帰ったの ですが、母親がおすすめのランチがあるということで、ある小料理屋さんにランチを食べにいきました。1,800円ということで、「都内ならまだしも、つつ じヶ丘にしては高いなあ」と思ったのですが、出てきた料理を見てびっくりしました。「都内だったら3,000円はするなあ」と感じたぐらい豪華なランチ だったのです。確かに1,800円のランチはコストは高いですが、3,000円すると感じたものが1,800円だったので、コストパフォーマンスは優れて いました。ここで1点着目して欲しいことは、それを判断したのはお客である私自身である点です。

 

コストパフォーマンスはお客様の判断の中にあります。なので「買い手(=お客様)の時代」になります。企業が「お店がお客様に尽くす時代」です。低成長時代は、買い手思考「お客様にどれだけ尽くせるのか?」が時代とあった認識です。

 

従って、低成長時代に店舗の現場で大事なことは「お客様に尽くす活動」が大事です。
経営者の役割は「現場にお客様に尽くす活動をしてもらう」ことです。

 

 

 

■3.市場縮小時代(東日本大震災以降のこれからの時代)、経営者の時代認識
これからの時代はどうなのでしょうか? 市場縮小時代を向かえ、東日本大震災(2011年3月)を経験した日本では、お客様・働く側の意識が変わっています。

 

NTTデータスミス調査(2011年6月)によると、80%以上の人が「人は一人では生きていけないと強く感じるようになった」と回答しました。

NRI の社会貢献意識に関するWEBアンケート調査(2012年3月)によると、「家族との繋がりを大切にしたいか」という問いに「そう思う」との回答が 94%。「友人との繋がりを大切にしたいか」という問いに「そう思う」との回答が90%だった。人との繋がりを大事にする現代人の姿がうかがえます。 SNSの広がりもその延長戦上にあるのでしょう。
NPO法人やソーシャルビジネス(社会的企業)の関心度を調査した所、全ての年代で、実際に働くかは別にして、5割を超える人達が関心があると答えました。地域・社会のために働くという新しい働き方も今後広がっていくでしょう。

 

これからの時代は、お客様・働く側の意識がお客様に地域・社会に向いていきます。売り手と買い手が一緒に地域・社会を創る、地域・社会の時代です。「売り手と買い手が、何かの価値を共感・共有する時代」が今訪れています。これから広がっていきます。

こ れからの時代は、共有思考「お客様とどれだけ価値を共感・共有できるのか?」が時代と合った認識です。リアルな店舗では特に大事です。 (もちろん、商品を売る買う世界も存在しますが、それはネット通販でこと足りるでしょう。リアルな店舗は、商品を売る買う世界とは違う土俵で勝負していく ことがポイントになりますね。 )

 

従って、市場縮小時代に店舗の現場で大事なことは、「共感共有時代にあった新しい現場の姿がどこまで根付いているか」が大事です。
経営者の役割は「共感共有時代にあった新しい未来の現場を指し示して先導する」ことです。

 

 

 

■まとめ
「共感共有時代にあった新しい未来の現場」、その答えが「10年顧客戦略」です。
10年顧客化は市場縮小時代に業績アップを実現するために欠かせない戦略です。

 

2015年6月、ある地方の化粧品店では、「お客様に尽くす時代」と捉えていたのを「お客様と共感共有を進める時代」と時代認識を変えて、接客等の活動を実践した所、実践をはじめた月に、前年同月で120%の売上になりました。

 

これからの時代も企業を成長させる経営者は、「10年顧客戦略」を使って、企業を業績アップに導きます。

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