10年顧客コラム

VOL.23「人材育成と10年顧客戦略」

10年顧客が増える企業の人材育成は「新しい未来、見える化、現場落とし込み、進化を大事にする」、たどり着けない企業の人材育成は「“教育が大事だ”というシンプルな考えで、断片的に教育を実施する」

 

■「お店ビジネス」の人材育成
今号は「10年顧客の人材育成」がテーマですが、本論に入る前に少し視野を広げて、「お店ビジネスの人材育成」について考えてみたいと思います。
お店ビジネスの皆さんと人材育成・教育についてお話をした時に、2つの意見をもらうことがあります。

◇1つ目の意見は「成長意欲の高い優秀な人(上位2割くらい)」に着目した意見で、「人材育成・教育なんて強化しなくても、できる人はできるんだから」というご意見。
◇2つ目の意見は「やる気のない人(下位2割くらい)」に着目した意見で、「人材育成・教育を強化しても、変わらない人は変わらない」というご意見。

 

2つの意見は着目点から考えると正しい意見です。
ただ重要な点を見落としています。「中くらいの人(真ん中の6割くらい)」に着目していないことです。

 

「成長意欲の高い優秀な人(上位2割くらい)」と「いろいろな理由で今やる気のない人(下位2割くらい)」は、人材育成・教育はあまり必要がありません。ただ、「中くらいの人(真ん中の6割くらい)」は、経営層・本部が成長する場面(教育場面)をどのくらい届けるかで、今後の成長量が大きく変わります。

「中くらいの人」のために、経営者・本部が成長する場面(教育場面)を今よりも届けて、「成長意欲の高い優秀な人」の人達と合わせて、8割の人達を成長に導くことが、お店ビジネスでとても大事になっています。
「中くらいの人」が成長しないと、「いろいろな理由で今やる気のない人」と合わせて8割の人達が、成長していない会社になってしまうからです。

 

 

■「10年顧客」の人材育成
10年顧客においても、人材育成は大事です。特に現場の人材育成が大事です。

 

お客様は、次回も来店するか、ずっと来店するか、(結果として)10年間来店するかどうか「企業と接する場面の対応」で決めていることが多いです。お客様が企業と接する場面は顧客接点です。その顧客接点を担っているのは、現場の人材だからです。

 

今よりも10年顧客を前に進めるには、現場の人材(特に真ん中の6割の人達)が成長する場面(教育場面)を、経営層・本部が、今よりもどのくらい(の量を)届けられるのかが大事になります。現場の人材育成・教育の強化なくして、10年顧客が安定して増え続ける状況が生まれない現実があります。

 

 

■10年顧客の現場の人材育成、4つの勘所
では、具体的に10年顧客が増え続ける現場の人材育成には、どんな勘所があるのでしょうか?これから10年顧客の現場の人材育成の勘所を通常の教育と比べながら4つ紹介します。

 

■勘所1.10年顧客の現場未来像の明確化
10年顧客の現場の人材育成を進めるにあたってまず考えることは、どんな現場(お客様と接する場面)をつくりたいのか、未来を明らかにすることです。

具体的には「お客様が10年通い続ける理想のお店像・人材像を定義した言葉の目標」、「お客様が10年通い続ける現場を物語で示すイメージ目標」を基本に、結果として実現したい「お客様数をベースにした数値目標」を決めます。
通常の教育は、教育を通じて未来の現場をどうしたいのか、細かい所まで詰めないので、どうしても教育内容があいまいになりがちです。

 

■勘所2.10年顧客の教育内容の見える化・テキスト化
10年顧客の現場未来像・目標を実現するために必要な毎日の具体的な活動を教育テキストにして、見えるようにすることが大事になります。
よくある「基本動作・礼儀作法のテキスト&業務手順のテキスト」では10年顧客の実現は難しくなります。

 

■勘所3.10年顧客の研修の実施
通常の企業では「新人~3年目くらいのスタッフを対象に主に業界の基本を学ぶ研修」&「モチベーションアップに繋がる研修」で問題ありませんが、10年顧客の研修は、「①現場PDCAの落とし込み、②半年〜1年を通じた継続教育、③現場の心を動かすプレゼンター(教育役)の存在」がポイントになります。

①現場PDCAの落とし込み
研修は参加者が内容が理解するだけではなく、明日からの「現場P計画–現場D実践–現場C振り返り–現場A改善」に落とし込んでいくことが大事になります。
研修時間の中で「現場P計画」「現場C振り返り」を進めていきます。

②半年〜1年を通じた継続教育
一回限りの断片的な研修は、モチベーションアップに繋がるだけで、10年顧客の活動の一つひとつが現場に根付くまで至りません。半年から1年を通じた継続教育が必要になります。

③現場の心を動かすプレゼンター(教育役)の存在
いくら教育内容・テキストが良くても、それを研修で伝えるプレゼンター(教育役)のパフォーマンス(説明能力・態度・しゃべリ方等)が今一歩だと、現場の心が動かないので、あまり現場で実践されません。

 

■勘所4.10年顧客の現場事例収集による教育進化
10年顧客の現場実践事例を収集して、「①教育内容の改善」 「②成功事例のコンテンツ化(成功の本質理解→他スタッフで再現できる内容の抽出→実践ツール用意)」を進めて、10年顧客の教育内容を進化させていきます。
通常の教育は、あまり教育内容を進化させず、5年〜10年に1回ぐらい、大幅に作り直します。順次進化させていかないと、教育は常に現場の後追いになります。

 

■まとめ
今、現場の人材育成・教育について、どのくらい大事に考えていますか?

お客様は、現場の人材と接した場面で、自分がどんな対応を受けたかを中心に、次回も来店するか、ずっと来店するか、(結果として)10年間来店するか、決めています。お客様にとっては、会社の規模も、マネジメントも、組織も、理念も、ずっと通い続けるかどうかの判断には、直接的な関係がありません。普通、お客様は自分が通っているお店(=会社)の内部のことに関心を持っていません。顧客接点を頼りに判断しています。

10年顧客を今よりも進めるにあたっては、顧客接点を担う現場の人材育成・教育は生命線です。

 

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