10年顧客コラム

VOL.31「接客と10年顧客戦略」

10年顧客が増える企業は「接客においてお客様が10年通い続けるために必要なベースができている」、たどり着けない企業は「一つひとつの接客自体は問題ないが接客で10年通い続ける視点を持っていない」

 

VOL.27~VOL.30は、10年顧客が増える現場の計画-実践-振り返りについてお話しましたが、今回は10年顧客が増える「接客」について、同じく経営者・事業責任者が持つべき視点をお届けします。

経営者・事業責任者の中には、「接客」は基本的には現場に任せているという考え方がありますが、会社として10年顧客を今よりも増やしていくためには、「接客」は極めて重要で任せすぎるのも問題です。「接客」が今一つのお店に(例え、ネット戦略が進んでいても…)お客様が10年通い続ける可能性は極めて低いです。

お客様に10年通い続けてもらうために、経営者・事業責任者は、どんな視点で「接客」を見つめることが大事なのでしょうか? 3つの視点があります。

■ベース1:「現場スタッフが楽しそうな顔・声・態度で接客していること」
通常のお店では、魚屋さんのように威勢が良いという意味での明るさは必要ありませんが、明るい雰囲気は大切です。
特にさまざまな業種(化粧品・バイク・自動車・エステ等)の専門店は、お客様から見ると、コンビニストア・スーパーマーケット・ドラッグストアと比べて敷居を高く感じるもので、明るい雰囲気はより大事です。
明るい雰囲気はお客様の気分をリラックスさせ、居心地の良い空間を創り出します。そんな明るい雰囲気は、現場スタッフ一人ひとりの楽しそうな顔・楽しそうな声・楽しそうな態度といった人から発せられることに大きく依存します。

それが今一歩できていない場合、その理由を見つめていくと、経営層の力で改善できる場合があります。逆に言うと、現場リーダー(店長等)レベルでは改善できないことがあります。

例えば…
◇スタッフ個人の資質の問題
→ここは採用の問題があるかも知れません。特にこの人手不足の時代は良いスタッフが集まるような地域でのブランディングが改善テーマになります。

◇そもそもの仕事量が多い
→今の現場仕事の中でシステムでできることはないか、本部で補える部分がないかがテーマになります。

◇特定のスタッフが見るからに疲れている
→ベテランスタッフと若手スタッフの仕事分担が適切ではない場合があります。業務区分は経営層の改善テーマです。

◇本部からの指示・報告が多い
→本部内の部署の連係があまり取れていないので、同じような情報を現場に流れている場合があります。報告が以前に比べてドンドン増えていることがあります。

現場スタッフが楽しそうな顔・声・態度で接客していなかった場合、経営の問題として改善策を講じることで、今より楽しそうな顔・声・態度で接客できれば10年顧客を一歩前に進めることができます。

※もちろん、現場スタッフが楽しそうな顔・声・態度で接客していないのは、日本の将来に対する不安、最近の若者の資質の問題、地域の景気の問題もありますが、それが事実としても自社で変えられないことは前提として頭に入れる程度で、あまり考えても仕方がないことでしょう。お酒の席のよもやま話で留めることをおすすめします。

 

■ベース2「お客様が10年通い続ける接客の基本視点を持っている」
従来の接客はその場での接客を中心に考えますが、10年顧客の世界では、ある1回の接客を「これから3ヶ月・1年・3年・5年・10年とお付き合いするある場面」と捉えます。「1回1回の接客」ではなく、「10年という時間軸を持った接客」が10年顧客の接客です。
10年という時間を考えると、あるお客様担当のスタッフは10年の間に、他店に移動したり、やめてしまうこともあります。定年を向える場合もあるでしょう。そんな現実が見えているので、会社としての接客の基本視点を持つことが大事になります。
まず「お客様一人に対して担当スタッフ一人が対応するスタイル」ではなく、「お客様一人に対してスタッフみんなで、チームで対応するスタイル」が基本になります。また、顧客情報について担当スタッフ個人の記憶に頼るのではなく、顧客情報をデータベース化して(顧客台帳というアナログでも、もちろんOKです)ずっと引き継いでいく必要があります。それを基本に接客マニュアルが構築されていることが必要になります。これは経営として考えていくテーマです。

 

■ベース3「共感・共有の視点で接客の完成度が年々上がっている」
お客様との「共感・共有」が重要というお話をVOL11でしましたが、

VOL.11 時代認識と10年顧客戦略


それが接客の流れである「0.来店前のネット情報確認」「1.出迎え」「2.挨拶」「3.案内」「4.コミュニケーション」「5.ヒアリング」「6.商品紹介」「7.購入」「8.会計時」「9.お見送り」「9.フォロー」のそれぞれの場面において、以前と比べてレベルが上がっているのか、確かめます。この視点を経営側が持つことで、時代を捉えた接客が自社内で広がっていきます。
接客について現場は今のスタイル・テイストをあまり変えたくない志向があります。今の接客でOKと思いたい気持ちが強いことがあります。そうなると、1年前に比べて接客が成長していない現実が訪れます…。そうなると、10年通い続けてくれるお客様が増えていきません。

 

■まとめ
細かい接客の改善である「挨拶の声を今よりも大きくする」「重点商品を紹介する際のバリーエーションを増やす」「お見送りの際の言葉のかけ方を工夫する」ことは、現場に近い本部スタッフ、現場リーダーに任せればいいでしょう。

今回紹介した、お客様に10年間ずっと通ってもらう接客の3つのベースは、経営者・事業責任者が進めることです。よろしくお願いします。

 

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