10年顧客コラム

VOL.38「居酒屋チェーンと10年顧客戦略」

10年顧客が増える企業は「毎日の活動変化まで行き着ける」、たどり着けない企業は「考え方の変化に留まってしまう」

 

10年顧客のお話をする中で「どんな事例がありますか?」と聞かれることがあります。NO.37~39の3回に渡って、事例をご紹介したいと思っています。今回は、居酒屋チェーンB社さんの事例です。

県下で約30店舗を展開している会社で、社長が「10年顧客セミナー」にご参加いただいたのが、最初の出会いでした。

1年に渡った10年顧客プロジェクトは、「同じお客様に10年ずっと通い続けてもらうために」「10年顧客を“これから”増やしていくために」「10年顧客を“今よりも”増やしていくために、何ができるか」を思考の軸にして、来店からお見送りまでのすべての活動(0.身だしなみ・服装、1.挨拶、2.ご案内、3.注文お伺い、4.料理お届け時、5.お食事中、6.会計/見送り、7.店内装飾、8.ツール活用、9.販促・キャンペーン、10.お掃除)を80点から90点にすることを大事に進めました。
 

■10年顧客が生み出した活動変化

・お客様が来店した時に、はじめてのお客様、中くらいのお客様、固定客に分けて、挨拶に変化をつけた(「あ!こんばんは」「いつもありがとうございます!」等)。お出迎えの時にお客様から「よろしくね」「お願いしますね」等、言葉をもらえるようになった。スタッフも嬉しくなり、自然に笑顔が増えていった。

 

・料理・飲み物の提供は早足になっても、テーブルを置くときにスローモーション(1秒間をつくる)を意識した。スタッフのココロが落ち付き、ピークタイムでもお客様・スタッフへの気配り回数が増えた。単純なミスも少なくなった。今まではテーブルに置く時も素早くやっていた。

 

・食べ終わった料理を下げる時に「空いているお皿を下げてしていいですか?」という言葉と同時に、おしぼりの追加・灰皿の交換も確認するようにしたことにお客様がとても満足してくれた。お客様に親近感が生まれ、和やかな雰囲気になり、会話が増えた。

 

・お見送りの際に、「ありがとうございました。またお越しください」という定番の言葉の他にプラスで一言「料理はお気に召されましたか?」等、話に入りやすいワードをスタッフみんなで見つけながら進めた。お客様との会話に繋がり、「ありがとう」「ご馳走さま」「おいしかったよ」の言葉をもらえた。この活動を実施する意味を丁寧にアルバイト・パートさんに伝えることで広がっていった。

 

・10年顧客をキッカケに、人員に余裕がある時はお店から一歩出て、2名(男女)でお見送りをした。キッチンスタッフもお見送りをすることで、料理を作るモチベーションにも繋がった。

 

・常連様の名前と顔が一致するように、顧客台帳を作成するようにした。いつ、何名で、どこの席で食事したのかを記入、その時の会話内容も書いて、次回来店時の会話に使えるようにした。結果、常連客がお店をより身近に感じて来店頻度が増えた。

 

・10年顧客に取り組む前は、あるベテランスタッフがスピーディーな作業に終始していたが、10年顧客に取り組むようになって、動作に余裕ができて、お客様との会話も増えて、サービスの力が付いた。

 

・いろいろな場面で「10年」「10年」と念仏にように口に出して取り組んだ。スタッフに様々なことを説明する時に、「お客様に10年来てもらうにはどうかな?」と10年というワードを入れて話をした。最初は戸惑っていたスタッフも、数ヵ月で段々理解が深まってきて、10年をキーに考える力が付いてきた。

 

■B社さんの取り組み全体

10年顧客プロジェクトで「10年ずっと顧客で居続けてもらうには…」を軸に、今すでにできている活動を見つめ直して、現場が改善していきました。「目の前にいるお客様にこれから10年来てもらうためには…」と具体的に考えてもらうことがポイントでした。 普通に「ずっと来てもらうためには…」と考えるだけだと、大事なことの確認・活動の確認にはなっても、新しい活動まで行き着かなかったかも知れません。 10年という届きそうで今までのやり方では届かない…そんな視点が新しい活動に繋がったのではと思います。

 

■まとめ

プロジェクトの中で社長・専務に言われて印象的だったのが「異業種のノウハウはとても新鮮で、現場の活動を変えることに繋がった」「飲食業を小売業・サービス業・法人営業と比べて話してもらうことで、自分達が営んでいる飲食業の良さを客観的に捉えることができた」との言葉でした。 たとえ業種が違っても、10年顧客の思想・考え方・活動ノウハウは応用展開でき、それが新しい気づき、認識になることが分かりました。むしろ業種が違うノウハウの方が、今の現実・過去の成功体験から離れられることができ、新しい現実を生み出すことができると感じたプロジェクトでした。

 

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