一体感・マインド顧客戦略の基本

Vol.14 10年顧客戦略を進めやすい企業の存在論

10年顧客戦略を進めやすい企業の存在論

顧客戦略が進む企業は「企業(事業)を社会貢献的な存在を中心に考える」、たどり着けない企業は「企業(事業)を売上・利益を追い求める存在を中心に考える」

vol.11、vol.12、vol.13では、10年顧客の仕組みについてお話しましたが、vol.14では、それよりも少し大きな話になりますが「これからの時代を踏まえた企業(事業)の存在論」、vol.15では「これから伸びる企業(事業)の基本思考」について考えてみたいと思います。

企業は、「社会貢献的な存在」であり、「売上・利益を追い求める存在」

企業(事業)はどんな存在だと思いますか。 人それぞれいろいろな意見が返ってきますが主に2つの方向に集約できます。

一つが「社会(顧客)貢献的な存在」、もう一つが「売上・利益を追い求める存在」です。どちらが正しいという訳ではなく、両方の側面がありますね。

<社会(顧客)貢献的な存在>

お客様がいる社会に求められる商品・サービスを提供して、豊かな生活実現のサポートをする、社会に貢献する存在。獲得した利益は株主に配当する存在。

「企業(事業)は社会・お客様から認められて、はじめて存在できるよね。お客様から満足いただくことが何よりも大事だよ。」というイメージです。

例えば化粧品小売業であれば、「キレイになりたいと願うお客様に、肌にあった化粧品とお手入れノウハウをお届けして、今よりも豊かなでハッピーな生活を実現してもらう、それが地域・社会を明るい方向に導く」という側面です。

<売上・利益を追い求める存在>

できるだけ売上・利益を獲得していき、自らの存続、拡大を目指していく存在。

獲得した粗利益から社員に給料を払い、社員の生活を守る存在。

「会社は利益の最大化を狙う集りなんだから、売上を上げないと意味がないよね。売上をあげないと給料も払えないし、そもそも潰れちゃうよね。」というイメージです。 例えば同じく化粧品小売業であれば、「お店で売上・利益を上げて、お店がずっと続けられるように、お店を定期的にリニュアール・多店舗展開できるように、そして社員に給料を安定して払う」という側面です。

※学会・学者さんの世界ですと、いろいろな意見がありますが、企業の存在論をもう少し細かく見ることが多いようです。5つの視点が示されることがあります。1.社会・地域への貢献、2.顧客への貢献、3.売上利益の向上による継続性、4.従業員の生活の安定・確保、5.株主への還元になります。企業実務上は、4つだと多いかなと思います。「社会(顧客)貢献的な存在」「売上・利益を追い求める存在」2つの見方でいいかなと思います。社内で説明する時に理解が深まりやすいです。

どちらを中心に考えるかは時代とともに変化している。

今までもこれからも、この2つの存在意義があることは変わらないのですが、企業実務を進めていく上で重点を置くバランスは時代とともに変わってきているでしょう。 成長時代は、「社会(顧客)貢献的な存在」3割、「売上・利益を追い求める存在」7割で考えるのが、時代に合った考え方だったでしょう。

これからの時代は、「社会(顧客)貢献的な存在」7割、「売上・利益を追い求める存在」3割で考えるのが、時代に合った考え方になるでしょう。なっているでしょう。

今・これからの時代も「売上・利益を追い求める存在」を中心に考えていると、時代とトーン・テイストと合わないので、どうしても社会・顧客から受け入れられづらくなるので、売上・利益が減っていくことが多くなるでしょう。時代と逆らう(=下りのエスカレーターを上ろうとしているイメージです)ことは企業運営として効率的ではありません…。

今・これからの時代は、「社会(顧客)貢献的な存在」を中心に考えていくことが大事です。時代のトーン・テイストと合っているので、従業員も雇いやすく、社内・現場のノリも良くなります。社会・お客様から受け入れられやすくなるので売上・利益が上がっていくことが多いでしょう。時代の後押しがあるので企業運営として効率的です。

まとめ

顧客戦略を進めるベースとして、企業(事業)の存在に対する考え方を時代に合わせて認識することが大事です。

顧客戦略は、経営者(事業責任者)が企業(事業)の存在を「社会(顧客)貢献的な存在」7割、「売上・利益を追い求める存在」3割と考えているとスピード感を持って進みやすくなります。

企業(事業)の存在を「売上・利益を追い求める存在」7割、「社会(顧客)貢献的な存在」3割と考えていると、顧客戦略は停滞することが多くなります。

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