一体感・マインド

Vol.41 コロナ禍での新しい問い

コロナ禍での新たな問い

東京・埼玉・神奈川・千葉などで、非常事態宣言が再び出ました。
まだまだ、コロナ禍での経営が続きそうです。
ただ、第1回目の非常事態宣言に比べると、飲食店を除いて、小売業(百貨店・SC)・サービス業(スポーツクラブ・映画)、学校など、制限は緩和されています。

そんなコロナ禍で、成功事例・好調な業界も明らかになっています。

一方で、「このまま自社で、自店で使えない…」という現実もあるでしょう。
私の立場ですと「事例は素晴らしいけど、自分のクライアントさんでは、
直接使えないなあ」と思うことが多いです。

そんな事を考えている中で、先日「問い続ける力(2019年4月:ちくま新書:880円)」副題「小さい問いができれば、好奇心に導かれて行動に至り、想定していた結果が得られる」を読みました。
インタビュー形式で、9人のプロフェッショナルの方々が登場する本です。

この本を読んで思ったのは、「今、大事な事は、成功事例を頭の隅に置きつつ、
コロナ禍で、自社・自店に与えられた新しい問いに対して、自ら(orみんなで)
丁寧に考えていくことなんだ」という、ある種、当たり前の結論でした。
例えば、「新しい問い」とは、以下のような問いですね。

経営層・本部スタッフの問い

「自分がいる業界(特に自社の商圏)は、コロナの影響でどんな変化があるのか?
また変化がないのか?」
「コロナ禍で、自社の未来像をどのように描き直せばよいのか?そのままでいいのか?」
「今までのリアル教育を、ITを活用して、どんな進化をとげるべきなのか?」
「リアルな店長会で行ってきた現場事例の共有を、コロナ禍ではどう進めるのか?」

現場リーダーの問い

「固定客(Aクラス)に“コロナ禍でも”ずっとファンで居続けてもらうには?」
「中くらい(Bクラス)のお客様をコロナ禍をチャンスに、固定客に育成するためには?」
「コロナ禍ならではの、自店の新規獲得の糸口、実際の活動は?」
「コロナ禍で中々会えない中、スタッフの意識を近づけて、チーム力を逆にアップするには?」

「固定客(Aクラス)に“コロナ禍でも”ずっとファンで居続けてもらうには?」という問いをピックアップして、丁寧に見ていくと、新しい問いの大事さを感じます。

上記の問いから、“コロナ禍でも”の部分を除くと、
「固定客(Aクラス)に、ずっとファンで居続けてもらうには?」という問いに
なります。この問いは、ここ10年・20年、(多少状況に違いはありますが)
基本的には“同じ問い”が与えられて、その時々で答えを出してきたでしょう。

「固定客(Aクラス)に“コロナ禍でも”ずっとファンで居続けてもらうには?」
という問いは、はじめて考える問いだと思います。
コロナ禍で「積極的に集客できない」「派手な販促が打てない」「接客時間を
長くできない」なかで、固定客の維持を進めることだからです。

具体策としては…

  • 固定客(ex.コロナ前に月2回購入客)とZOOMなどで定期的に(ex.月1回)デジタル上で接客する。そのために積極的に個別メッセージを出して、アポイントを取っていく。
  • 固定客の今までの購入履歴を眺めて、好みの商品が入荷したら、その商品の紹介を動画で撮影して、メール・LINEで送る。
  • 月に1回、ECサイトの掲載商品の中で、その固定客ならではの商品をピックアップしてメールで送る。メール送付後、電話フォローも行う。
  • 固定客向けのNewsletterを年4回発行する

…などが考えられますね。

コロナ禍では、新たな問いが与えられます。
新しい問いなので、今まで考えた経験が活かしづらくなっていることを実感します。

コロナに対する大阪、北海道の知事の対応を見ていると、年齢だけで判断できませんが、年齢が若い知事の方が、適切な対応ができている印象を持っています。
年齢が若いので、新しい問いに対して、好奇心(こういう言い方は不謹慎かも
しれませんが、今回紹介した「本の副題」を頼りにさせていただきました)に
導かれて「行動」に至っているのではないかと思いました。

50歳に近づいてきた私ですが、『コロナ禍で「CX(顧客の体験価値向上)」と
「CRM(顧客の維持・育成)」を「one teamで推進する」こと」を軸に、
個々の企業様ならではの「新しい問い」に対して、解決に向けて挑んでいく』
そんなコンサルティング・教育をお届けしたいと強く想っています。

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