代表の齋藤が気になったファンづくりにまつわる事例を解説しながら、皆様に役立つポイントを、短い動画でご紹介します。
ロボットができない接客でファンづくりにつなげる(4分43秒)
今回は スイス発のランニングシューズブランドONというブランドが、アジアで最大の店舗「On Tokyo」を、青山の表参道でオープンするという話題について、触れていきたいと思います。
ひとり一人の走り方をカメラセンサーで分析をして、お客様に合ったシューズを3つ、タブレットで実際に表示してくれるという、接客をするということです。
わずか8m走っただけで、あなたに合ったシューズを提案してくれる、ということなんですね。
この機器を使った診断をベースにした接客、商品のおすすめの仕方というのは、化粧品業界で長年行われていたアプローチですね。
お肌の測定をして、肌の色の測定であったり、肌の成分の測定などをするのですが、それをベースに商品を紹介していくというアプローチです。
その人に合った化粧品を提案をするということですが、化粧品の業界は私が携わって25年ほどですが、その25年前にも、もうすでにあったもので、大変歴史の古いアプローチです。
一見、これですべて解決するのではないかと思うのですが、実際はそれだけでお客様が購入決断をしてくれることは、非常に少ないということなんですよね。
なぜなんだろうか、と考えると、「機器を使った診断」これは客観的なアプローチと言えると思います。
ただ、ある人が商品を購入するとき、「客観」だけではなくて、「主観」ということも非常に大事にするんですよね。
このときの「主観」というのは、例えば、その人の憧れであったり、また希望であったり、願いであったり、また不安であったり、悩みだったり、過去の失敗体験だったり、そのような主観がやはり入ってきます。
「主観」は、機器では判断することができないので、実際に接客をしながら、お話していただくということが、大事になってきます。
ただ実は「主観」について、お客様が明確に言葉にできるわけではないんですよね。
それを接客のスタッフさんがお客様の話を聴きながら、例えば…これはとても大事なことだな、と考える一方で、こちらはそれほど大事ではないんじゃないか、なんてことを判断しながら、「客観」と「主観」が交わるところに「購入」があるということです。
「客観」というところは、正直ロボットでもできるんですが、「主観」のところは、今のところはなかなか人でないと難しいと思います。
この「客観」と「主観」両方考えながら、接客を進めることで、人だからこそ、人間だからできることを、これからも、特に付加価値の高い商品を扱う場合は、進めていくことが大切になってまいります。
お客様にはどうして そのお店スタッフさんのファンになったんですか?
と聞くと、やはり「私の話を聞いてくれるから」
そんなお話がよくありますね。
このときの「私の話」というのは、多くの場合、それは「主観」ですよね。
お客様が、自分の主観をスタッフさんが聞いてくれる、と感じることが「ファンづくり」につながっています。
客観的なものを定期的にしっかり診断しながら、その推移を追っていくことも、とても大事ですが、その時々の「主観」を大切にしながら対応していくことが、ファンづくりのポイントにもなっていると考えます。