口コミを気にする人が増えています
皆さん、ネットの口コミって気にしますか?
今、旅行の計画をしているのですが、私が目を見開いて(笑)、見ているのは、
旅行会社・旅館・ホテルのSNSではありません。
実際に体験したお客様の口コミです。
ちなみにモノを買う時はTwitter・インスタグラム・YouTube・Amazon・楽天・価格.comのレビュー、
小売店/サービス業はGoogleマップのレビュー、
飲食店は食べログ・ぐるなび・Retty、Googleマップでレビューを
つい確認してしまいます。
…というお話をしたのは、
先日、野村総研が定期的に実施している「日本人1万人アンケート」の結果で
「ネットの口コミ」の影響力が、この3年で強まっていることを目にしたからです。
この調査は3年に1回行われている日本人の意識調査で、
この仕事をはじめてから、ずっと注目させていただいている調査です。
基本的に、同じ調査項目で行っているので、2000年くらいからの変化が確認できます。
野村総合研究所
「使っている人の評判が気になる」人は、2018年36%が2021年は43%で、
大きく伸びていました。さまざまな理由があると思いますが、
野村総研の松下東子さんによると、
「何か欲しいと思ってスマホの画面で調べる時に、スマホは画面が小さいので、細かいスペック比較が難しいけど、口コミは問題なく見れる」ことが大きい
とのことでした(販促会議9月号)。
確かに細かい商品比較はしたいと思いつつ、スマホではする気になりません。
リアル店舗における「ネットの口コミ」
「ネットの口コミ」の重要性の高まりは、店舗の場合も同じです。
実際に新規来店は、ネットの口コミによる影響が大きいでしょう。
路面店はもちろん、シッピングセンター・百貨店に入っていても、日常的に来店しない専門性が高い店舗、飲食店は、ネットの口コミを調べてから来店することが多いためです。
このような状況で、ネットの口コミへの対策を考える企業が増えています。
「ネットの口コミ」は、SNS(特にTwitter、TikTok)で広がることが多いので、「自社のSNSを強化しよう!」という流れになります。
その流れは決して間違ってはいません。
ですが自社のSNSから、お客様の声を発信したとしても、まだ来店していないお客様が、企業からの情報に対して、本当にそうなのか、疑いを持ってしまうのは仕方ないことでしょう。
私たちが見たい口コミは、「お客様が書いた口コミ(=レビュー)」なんですよね。
先ほど触れた自社のSNS強化は、ネットの口コミ対策というよりは、多くの人がSNSを見ている時間が長くなっているなか、アピール量を多くして、認知を拡大していくという、デジタル上のマスマーケティング、広告と同じです。
従って、KPIは認知拡大に直結する「ファン/フォロワー数」「リツイート/シェア数」「いいね数」が中心です。自社のSNS強化は、これはこれでもちろん大切です。
ただ「ネットの口コミ対策」としては距離があります。
「ネットの口コミ対策」の王道は、「お客様が書いた“良いレビュー(口コミ)の数”を増やすこと」です。
そのためには、当たり前なのですが、「お客様に感動してもらう(感情を動かしてもらう)体験を届けること」です。
「感動(=お客様の感情が動く)」は、涙を流す感動だけではなく、「そうなんだ」「なるほど」「心地よいなあ」「すごい」なども含みます。
感情が動くと、「普通のお店」と違うので、レビューをしたくなります。
そんな感動体験は、リアル店舗の実務において、大きく4つの分野があります。
「1.商品」「2.接客」「3.売場」「4.イベント」です。
「1.商品」は、商品を見た瞬間のインパクトを出すことで、レビューを書いてもらいます。
「え?」という驚きの感動でしょうか。
「2.接客」は意図して作るよりも自然体で行うことで、良いレビューを書いてもらうもので「心地よいなあ♪」という感動があるでしょう。
「3.売場」は、ショーウィンドウ、ディスプレイが映える状況を作ることで、
「4.イベント」は、イベントに参加してもらうことで感じる「体験」です。
「1.商品」「2.接客」「3.売場」「4.イベント」のそれぞれ分野で、「レビュー」を書いてもらう策を、実践しましょう。
感動した体験を、お客様に自然にレビューしてもらえることがベストですが、
なかなかレビューにつながらないこともあります。
そこで、お客様に投稿をお願いすることが重要です。
YouTubeを見ていると、最後に「チャンネル登録と高評価をよろしくお願いします!」と、直接口に出して、視聴者(お客様)にお願いしていますよね。
以前、生活関連の訪問サービスを行う専門家と消費者のマッチングサイト
「くらしのマーケット」で、自宅のお風呂、エアコンの掃除をお願いしました。
実際に私もたくさんのレビューを見て、ある一人の専門家を選ばせていただきました。
その方に聞いたのですが、レビューを依頼すると、7割ぐらいのお客様が
実際にレビューを投稿してくれるそうです。
口に出して、お願いすることがポイントとのことでした。
また、コンサルタントの成田直人さんによると、あるスニーカーショップでは
レビューを書いてもらうために、購入してくれたスニーカーのソールをキレイにする時間を意図的に設けています。
そのタイミングで、お客様にレビューのお願いすることで、レビュー数が大幅に増えているそうです。
お客様に喜ばれ、なおかつ手持ち無沙汰な時間をつくるのがポイントとのことでした。
良いレビューは、チラシなどの広告と違って、半永久的に残ります。ずっと集客してくれます!
良いレビューの数の目標数値(KPI)を決めて、地道に前に進めていきましょう!