コンサルティング事例

モーターサイクル業界A社

背景

  • バイク(自動2輪車)業界は、約30年前からマーケットが縮小を続けており、バイクの販売台数は1990年の約1/4。そんな中で、A社は安定的な販売台数アップ目指していた。
  • 魅力的なニューモデル(新商品)が出た時は売上が一気に上がるが、そうではない場合、売上を下げてしまうか、割引販売で利益を減らす状況だった。
  • 顧客体験については、はじめての来店時の対応、既存客のフォローがある顧客層に偏っている所に改善点があった。
  • リーマンショックがあり、バイク業界も他業界に漏れず、ドン底と言っていいタイミングでのプロジェクトスタートだった。

コンサルティング概要

  • 当初は5名のプロジェクトメンバーで開始し、顧客戦略の基礎的な考え方を共有。(その後、各支店の営業責任者が加わりプロジェクトメンバーは12名に)
  • 販売店10店に訪問し、現場リーダーにインタビューを実施し、ファンづくりの現状を把握。
  • 数値で測れる理想的な顧客を決定し、顧客育成ピラミッドを構築。同時にゴールメッセージも構築。
  • カスタマージャーニー/ストーリーを作成。作成する中で、プロジェクトメンバーそれぞれが描く理想的な未来像が近づいた。
  • 今までの同業種の成功事例、異業種の成功事例を結合させて、ありきたりではない活動マニュアルをゼロから構築。
  • そのマニュアルをベースに、教育プログラムを展開し、顧客接点でRPDCを廻し続けた。
  • 各店の実践事例を随時共有していき、自店の活動を改善。マニュアルも改善し続け、教育内容を進化。
  • リーダーは教育に参加しているが、教育に参加していないスタッフ向けに担当営業マンによる勉強会を実施。あまなく情報を伝達。

効果

  • これからのモーターサイクルショップの新しいファンづくりの姿を構築することができた。
  • 教育プログラム期間のプロジェクト参加店と、参加していない店舗の販売台数を比較すると、参加店の方が大きく数字を伸ばした。顧客戦略を進めると販売台数アップに繋がることが分かった。
  • 2009年からはじまったプログラムは海外展開も含めて、2019年まで10年間プログラム展開されて、多くの顧客接点の改善に役立った。

経営層・本部・担当営業・顧客接点(店舗)のリーダー・スタッフが、同じゴールに向かって一緒に歩むことで、多くの顧客接点に新しい顧客接点の文化を醸成することができました。そして次世代の大規模な流通施策にバトンタッチできた顧客戦略のプロジェクトでした。このプロジェクトを通じて思ったのは、ファンづくりをすすめるには、一定に時間をかけて全社的にOne Teamで取り組んでいく大事さでした。